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【家族会議】ちびくろさんぼ2への娘の疑問から

 

ちびくろ・さんぼ2

絶版を経て・・・再び出版されている『ちびくろさんぼ

ちびくろさんぼ』という絵本をご存知でしょうか?日本を含め世界的に人気となった絵本でありながら、人種差別の観点から抗議を受けたため、姿を消してしまった作品です。日本国内では、岩波書店が『ちびくろさんぼ』を出版していましたが、同じ理由で1988年に出版停止、絶版にしています。

その後さまざまな経緯をたどりつつ、著作権が切れた岩波書店版『ちびくろさんぼ』が2005年に瑞雲舎によって復活しました。

 

 

あらすじは、Wikipediaより引用します。

両親から新しい靴・上着・ズボン・傘をもらったサンボは、竹藪に出かける。しかし通りかかったトラたちに喰われそうになり、身に着けたものを一つずつ与えることで許してもらう。サンボは裸にされ、号泣する。

一方トラたちは、戦利品を奪い合って木の周りをぐるぐる回りはじめる。その間にサンボは、与えたものをすべて取り返すことに成功する。トラたちは最終的に溶けてギー(インドのバター)になってしまう。サンボ一家はそのギーでパンケーキ(参照。日本ではホットケーキと訳される)を焼く。マンボは27枚、ジャンボは55枚、サンボは169枚も食べた。 

ちびくろ・さんぼ

ちびくろ・さんぼ

 

食いしん坊の私は「トラがグルグル回ってバターになる」というシーンしか記憶がなかったのですが、大人になって読むとトラに命を狙われるという、かなりハラハラドキドキの物語だと衝撃を受けました。

 

 

絵本『ちびくろさんぼ2』についての娘の疑問→服の色が違う

前置きが長くなりましたが、今回は続編『ちびくろさんぼ2』についてお伝えしたいのです。

ちびくろさんぼ2』のあらすじ

さんぼに双子の弟(うーふ・むーふ)がうまれ、さんぼは兄として一生懸命世話をする。ある日さんぼが用事で出かけていると、わるい猿たちが双子の弟をさらって、ヤシの木の上に逃げてしまう。さんぼは弟たちを取り返そうとするが、ヤシの木のてっぺんまで届かない。すると鷲が現れてさんぼを背中に乗せててっぺんに連れていき、弟たちを奪還する。

 

 

娘は『ちびくろさんぼ2』を気に入っていますが、読んでいるとどうにも腑に落ちない様子。

 

聞いてみると、

 

「なんでさんぼの服の色が違うの?」

 

と。

 

そうなんです。よく見ると、さんぼが身につけている腰布?らしきものの色がページによって違うんですね。

 

具体的には次の通りです。

服の色が違うと考えられる箇所

p5 双子をお風呂に入れる 赤
p8 ジャングルに向かう  黄
p13 ヤシの木の下に着いた 赤
p15 その次のページ 黄
p17 ヤシの木を登る 橙
p19 ヤシの木の下で泣く 橙
p20 鷲と話す 赤
p22 鷲の背中に乗る 橙
p23 ヤシの木の上に到着する 白(?)

 

言われてみると、はっきりと違いを認識できます。照明の加減や濃淡というレベルではなく。ストーリー上、着替えたり別の服を着ていることは考えにくく、何故なのか・・・と私も答えに困ってしまいました。

 

みなさんはどう思われますか。

 

プチ家族会議が開かれました。

私たちがたてた仮説は

・(設定にはないけれど)さんぼの住むところは天気が変わりやすく、日差しの変化を表現したかった

・何らかの暗号で解読すると埋蔵金のありかがわかるとか・・・?

・作者の遊び心

 

などです。

 

 

子どもは直ぐに何故?どうして?と尋ねます。いつも適当にしか回答できない私。

 

今回の疑問は、私もとても気になり、出版社の方へメールでお問い合わせをさせていただきました。

すると、とても真摯なご対応を頂き、また絵本作りにたいする情熱を感じるメールをくださいました。

(お問い合わせの内容と、お返事について掲載は控えます)

 

子どもはお返事が来たことに大喜びしておりました。

 

絵本は、物語を味わうものでもありますが、うちの家の場合は、話を聞かずに絵をじーっと見つめたり、ときには読み聞かせを中断してあれこれ議論したり‥‥、ちゃんとした読み聞かせの方法からすると邪道かもしれませんが、その時々に合わせて対応しています。今回ご紹介したちびくろさんぼ2もまた、読み聞かせを中断して、なぜ服の色が違うのかと様々な議論をしました。

 

私たち親子にとって、こういう時間が読み聞かせのだいご味です。子供の視点や想像力に、時に驚き、時に感動することもあります。

 

もしかしたら、こういう楽しい家族会議の時間を届けてくれるために、わざと服の色を変えたのかもしれませんね(笑)

 

ひさしぶりに【読み聞かせノートメモ】

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普段の絵本紹介はこちらでやってます

母と子の読み聞かせ手帖

 

【追伸】

実はもう一件、娘の疑問が解決できていないのです。

福音館書店「ももたろう」について、最後に鬼が自分の船で桃太郎たちを乗せて村まで送り届けるシーンがあるのですが、「最初に桃太郎たちがのってきた船はどうなるの」という疑問です。

たしかに船が鬼のものになれば、トントンかも。一見、鬼が見送るという心を入れ替えたシーンに思いますが、裏を返せば鬼の策略ではないかと…思えなくもない?

こちらも時間があれば…。また…。