名実ともにクソ企画。ぷりぷりフェイスコンテストbyユニ・チャーム、ムーニーマン
物事に対して、否定的に意見するのは控えたいと思っていました。それはリアルでもネットでも。いろんな意味で無用なトラブルをうむし。
だけど、今日ネットを見ていて結構ショッキングなページを見つけたので書いておきたい。
それがこちら
ぷりぷりフェイスコンテスト (byムーニーマン)
言葉で説明するより見てもらったほうが良いのだが・・・
http://www.unicharm.co.jp/moony/campaign/moonymans/index.html
企画の説明として↓↓
いっぱい飲んで赤ちゃんは大満足。ママもうれしい。
そんな時のたっぷりのうんちは、モレると困っちゃうけど、赤ちゃんの成長のしるし!頑張っていきんでいる顔って、かわいくって応援したくなる!
いましか撮れない「ぷりぷりフェイス」(うんちいきみ顔)を撮影して、Instagram、Twitter、YouTubeに投稿しよう!
当選した写真・動画は「雑誌」や「ムービー」になって掲載されるかも!?
http://www.unicharm.co.jp/moony/campaign/moonymans
つまりね、
”我が子の排便時の顔を撮影して世にさらす”
それをユニ・チャームという大手企業が先導しているんです。
みなさんがどうお考えになりますか。
わたしは、いろんな意味でクソ企画だと言っておきたい。
概要
企画は2016年6月14日~スタートしていて、締め切りは2016年9月15日正午。
インスタもツイッターもやっていないからよくわからなけれど、
#ぷりぷりフェイス で探すと、かなりの数の投稿が見られる。厳密に数えていないけれど、かるく1千件以上はあるんじゃないかな。写真だけではなく、動画もあります。
ぶりぶりぶりって聞こえるものもあります。
ぷりぷり”フェイス”とあるように、映っているのは顔のみ。みな、うんちはオムツの中でしているので、服も来ているし、肌が露出しているわけでも、便が映っているわけでもありません。
ただ、苦しそうな、力んでいる赤ちゃんの顔がたくさん投稿されているのです。
うんち中の子どもの顔を投稿する親のネットリテラシー
自分が大をしているときの顔、見たことあります?
すごい顔してるでしょ。
そんな顔を、ネットで晒されたらどう?
しかも自分の親に。
お子さんはまだ小さいから、何をされているのかはわからないし「おかあさんやめて」ということもない。けれど、もし自分のいきみ顔が親にさらされて いることに気づいてしまったら?私がもしそんなことを親にされたら、すごくショックだ。自分の裸を公開されていることと同じくらい嫌。結局、それでクリック数やいいねの数を増やしたいわけでしょ。そうじゃなきゃ、公開しなくてもいいんだし。
虚栄心や自己満足に浸るための材料に、子どものうんち中の顔を用いることが非常に不愉快。よその家庭のことだし、私には関係ないけれど、やっぱり子どもが不憫だなと思う。
見たところ参加している人は大体の場合お母さんで、きっとお子さんのことが大好きで大好きでかわいくて仕方がないんだろう。だから、いきむ顔もかわいいしみんなに見てほしいんだろうなって。わたしも、それはよくわかる。でも、お子さんはあなたのものじゃない。別の人間だ。かわいいと思っているなら、そんな姿を世界中に配信してはいけない。守らなければならないはずの子どもに対して、なぜ逆のことをするのだろう、と言いたくなる。
よその赤ちゃんの便は汚い
自分の子どもがうんちしている顔、それも可愛いです。頑張れーってつい応援したくなる。私も上の子のいきみ顔はムービーに残っているし、まぁ家族なら見せても良いかなと。ついでに我が子のうんちも汚いと思わない。それは自分の子どもだから。
でも、逆だったら?と想像してみる。ほとんど知らない子どもがうんちしてる顔見たいか?私ははっきり言って不快。可愛くもなんともない。よその子のうんこもよだれも汚いと思う。だから、いくら可愛い子どもでもいきむ姿はマジで見たくない。「見たくないなら見なきゃいいじゃん」とおっしゃいますけれど、そんな問題じゃない。もし、ツイッターやフェイスブックで流れてきたら目に入るでしょ。私にも子どもが二人いるから、小さな子の写真があったら「なにかな?」って目を止めるのは自然なこと。で、そんな内容だったら「ウワワァ」ってひいちゃう。わざわざそんな人のためにFacebookを辞めるのもおかしなことだと思う。リアルな友達だったら、少し警戒するかもね。だって、わたしの子どもの写真とかもためらいなくネットにあげちゃいそうだから、一緒に遊ばせるのは嫌だ。
ぷりぷりフェイス企画に参加するリスク
性的対象に扱われる可能性
大体、こんなぷりぷりフェイスなる企画。子どもがいない人には全く興味がないし、カワイイとも何とも思わないだろう。でも、世の中にはまれな性的嗜好の人がいる。これだけ人間がいれば、赤ちゃんにまで興奮の対象にする人がいても何らおかしくはない。苦しむ顔が好みだという人もいるかもしれない。例えば、そんな人が日本に10人しかいなかったとする。けれど、その10人のうちの1人があなたのお子さんの排便時の写真や動画を見て興奮していたらどう?または別の人は、あなたのお子さんに興味をもって、住所や名前を調べていたらどう?また別の1人が写真のGPSを使って家に来たら?いくら、そういう趣味の人がマイノリティであっても、たった1人に行動を起こされたらおしまいなわけです。
そんな人たちにわざわざ餌をまくような真似をしてどうするんだと。
悪意のある人にリスト化されたら
これは想像の話だけれど・・・。
以前こんな記事が話題になりましたね。
デマを言いなりに拡散させることで、SNS情報弱者リストをつくるという記事。
あくまで、仮定でしたが。私は非常に怖いなと思いました。
世の中では個人情報がたくさん売買されています。タウンページのように氏名・住所・電話番号の羅列にはあまり価値がない。経営者だけのリストとか、1年以内に車を購入した人とか、婚活パーティに参加した人のリストとか。ある程度ソートがかかった状態のほうが個人情報リストの質はあがる。つまり高値で売れる。
とんちんかんな想像かもしれないけれど、
この企画に参加している親のリスト
=ブログで子どもの排便姿を躊躇なくさらす親のリスト
もし悪意がある人が作成して使ってしまうこともあり得る。
あまり、他人の詮索はしたくないけれど、ブログを書く上で、どんな人が参加しているのか見てみた。こんな写真を投稿するくらいなので、やはりというべきか親自身の顔や大体の居住地、職業を公開している人が多い。人によってはかなり具体的にプロファイリングできる。あと写真のGPS機能から特定も可能だし。
そのリストがどういう風に扱われるかはわからないけれど、たぶんロクなことになんないだろう。
ユニ・チャームへの憤り。母親の愛情を利用すんな
ここまでズラズラ書いてきたけれど。
私が、一番言いたいのは、この企画をユニ・チャームが行っていること。
一体、脳みそどうなってんだ?と問いたい。百歩譲って、子どものいきみ顔を親が投稿するのはまだ良い。でも、日本を代表する大企業がコンテストと称して企画してることがおかしい。投稿を礼賛し表彰したり、たまひよに掲載させたり。子どもの恥ずかしい姿をさらす親を煽ってどうするんだと。将来傷つく子どもを増やしてるよ。子どものリスクも増やしてるよ。
しかも、ハッシュタグにムーニーマンとつけさせていることも、一体何なの?そこまでして名前売りたい?
ついでに、むかつくのが賞品がないこと。
当選した写真・動画は「雑誌」や「ムービー」になって掲載されるかも!?
は?
公式HPや雑誌への掲載だけ。そんだけ恥をさらしといて、ムーニーマンの名前拡散させといて、しかも、こんだけリスクがあるのにもかかわらず。オムツ1年分くらい送ってやれやと言いたい。
母親は、赤ちゃんのことを当然可愛いと思っている。それで、ちょっと周りが見えなくなったりすることもあるだろう。恋は盲目じゃないけれど、子どものことになると、正常な判断ができなかったりすることもある。そういう母親の愛情を巧みに利用して、宣伝したり商売していることが遺憾でならない。
まとめ 母親の味方であってほしいからこそ
こんなささやかなブログで記事を投稿したところで何もならないし、別にどうにかしたいとも思ってない。
ただ、フェイスブックで子どもの情報を晒しまくっている人がいて、思うところがあった上に、今回のコンテストを知ったもんだから、勢い余って書いてしまった・・・。
ブログやSNSでお子さんの写真を載せることについては、多くの人がしているしいろんなことに注意を払って行えばいいと思う。
ただ、人に見せていいものと、いけないものがある。今回のいきみ顔なるものは、赤ちゃんであってもプライベートで恥ずかしいものであり、全世界に公開するものではない。最も問題なのはそれを影響力のある大企業が先導していること。
ムーニーマンは使いやすくてちょっと高いけど良い商品だ。多くのお母さんと赤ちゃんが愛用している。同ページの研究秘話のページには、うんち漏れで苦労しているお母さんの悩みを解決しようと思った等書かれている。そういう研究者がいるから、世の中のお母さんは助けられてきた。
だからこんなキャンペーン企画をしてほしくなかった。もっと、本来の意味でお母さんが参加してためになるような、赤ちゃんが笑顔でいるよなものが良かった。正直言ってがっかりである。
(2016.11.20追記)
今年の6月に書いた記事で、取り上げている企画内容は終了した・・・と思ったら、現在第二弾がスタートしています。海外では親の写真投稿がもとで裁判になった例もあります。よろしければ関連記事もご覧ください。
追記をしようと思ったら、とても長くなりました。こちらです。