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職業がその職業にふさわしい人を選ぶ、という考え方『職業とは何か』

職業がその職業にふさわしい人を選ぶ。『職業とは何か』(梅澤正 著)より。

社会人時代に読んだ本。
 
こんな一節があった。
 
職業は、「人が選ぶ」ものと考えています。
ところが、実際のところは「職業が人を選んでいる」という側面もあるのです。
 
(中略)
 
人が職業に関心を持つ以上に、職業は、その担い手に関心を持ち、多くのことを担い手に要請しているといってもいいでしょう。
 
たとえば、必要とする知識・技術、精神的な心構えや社会意識といった面でも、それなりのものを要求するし、仕事への態度、ものの考え方、行動の仕方、ライフスタイルなどについても、その職業にふさわしいものを当事者に要請します。
 
 

 

 
私たちは、職業を自らが選択するものだと思っている。
けれど実は違う。
職業がその職業にふさわしい人を選ぶというのだ。
 
わかりやすい例では
・研究職→探求心が強く真理を追究できる人
・医者や看護師→命への執着心が強い人
など。
 
このことを見落とすことなかれ。
自分の好みだけで職業を決めるというのはできない。
 
著者はそう述べている。
 

自分なりに深く考えてみる

 
紹介した本の中では、「職業が人を選ぶ」についての説明は1ページほど。
以降に書く事は、私自身がこの言葉を勝手に解釈した内容である。
 
職業が人を選ぶということ。
適職(適性)という表現が近い。
しかし適職よりも、より強いメッセージがある。
職業に選ぶという権利があるということだ。
”選ぶ”という擬人化した表現も適職とは違う印象を受けるだろう。

 
たとえばこれから就職活動を控えた学生や、転職を考えている人にこの言葉をむけてみよう。
 
なりたい職業がある場合、その職業に選ばれるための努力をせねばならない。
当然のことであるが。
どういう人を求めているのか、そして自分自身に何が足りないのか。
自分自身を振り返り、ギャップを埋める必要がある。
しかし、どうしても埋められないギャップの場合もある。
たとえば、身体能力に関わることやライフスタイル、居住地など。
努力しても変更できない時には、あきらめも必要である。
 
ここで、少し整理をすべきなのが”職業”は”企業”ではないということだ。
企業が人を選ぶのは、ごく一般的なことである。
求職者が企業を選択することと同じだ。
 
今回述べているのは、職業のことである。
教師、弁護士、技術職、営業職、販売員など。
その職業そのものに人格はない。
実際には、何かの職業に就くには試験や面接が必要だ。
つまり、企業や面接官、あるいは制度が人を選ぶというのが一般的だ。
だが、実際に働くことになってからも、数々の試練を乗り越えられるかどうかはわからない。
思っていた仕事と違うと言ってやめる人もいる。
だから、実際にだれが選ぶのかというと、つきつめれば職業なのだろうな、と思う。
 
職業と言っても、今は細かく細分化されていくだろう。
専業主婦(主夫含む)だって一つの職業だと思っている。
専業主婦は一見誰にでもできそうな楽な仕事に見える。
しかし、専業主婦だけは絶対無理、という人がいるのもまた事実。
 
あるいは単純作業を繰り返す職業。
一見楽に見られがちだが、同じことを正確に素早く何時間も行うのは容易ではない。
少なくとも、落ち着きがない私には無理である。
私が社会人時代についていた職業は難しいものではない。
だが、誰にでもできるものではない、という自負がある。
 
やはり、職業がふさわしい人を選ぶのである。
 

あなたは選ばれてその職業についている

既に職業人である人について考えてみる。
 
職業にはふさわしい人を引き寄せる力があると仮定する。
既に何かの職業に就いている人。
それは、職業がその人を必要としていて引き寄せたのかもしれない。
 
やや、スピリチュアルな話に向かいそうなので留まろう・・・
 
社会人時代のことを思い出す。
目まぐるしい職場で、人の入れ替わりが激しかった。
かなり疲れ切った人もいた。
しかし、「輝いているな」と思う人が何人かいた。
多忙な現場でも志を忘れず、しかし物事に柔軟に対応する。
 
その人たちは、まさに”職業に選ばれている”という言葉が似合う人だった。
その職業と両想いだ。
生き方と働き方がリンクしている。
だが、決して”社畜”状態ではないのだ。
 
中には家業を継ぐために夢をあきらめて事業承継した人もいた。
家から近いという理由だけで職業を決めてしまった人もいる。
何度も転職をして、最終的に天職にたどり着いたという人も。
何かのめぐりあわせでその職業に就いている人が少なくない。
 
ただ、共通して言えるのは、
その職業と向き合い、何を求められているのか、何をすべきかを常に考えている。
そして、与えられた環境で最大限の努力とパフォーマンスをするということ。
 
選ばれるためのヒントはここにあるのかもしれない。
 

終わりに

 
職業がその職業にふさわしい人を選ぶ
 
私自身、自信がなくなりそうなときにこの言葉を思い出すようにしていた。
自分は選ばれているのだということ。
だから、頑張ろうという気持ちになる。
そう思うと、不思議と自信がわいてくる。
苦手なことにも挑戦しようという気持ちになる。
時折、この言葉を思い出す。
その職業にふさわしい自分になっているだろうか?
忙しさで自分を見失いそうになる時こそ、この言葉を思い返す時間は必要だと思う。
 
 
 
補足
「職業」が指すのは企業(company)でも上司(boss)でもない。”Job”のことである。
 
この言葉を曲解すると、『どんなに過酷な環境でも選ばれたのだからもっと頑張れ』となりかねず、補足しました。ブラック企業のようなところにいて、心身を壊しそうな状況の場合、そこに留まることを薦めたいわけではありません。
 
どうしても、今の仕事が自分に合わないという場合。それは職業そのものと相性が良くないという可能性がある。もしくは職業に適正はあってもその環境(職場)になじまないという場合もあるため、どちらかを見極める必要があります。
 
 

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