【ファーストブック】福音館書店 元社長が考える赤ちゃん絵本の選び方とおすすめ9作品
プレママも知っておきたい 0歳・1歳向けの絵本の選び方。
初めて手に取る本、いわゆるファーストブックの選び方について
松居直さん(福音館書店 元代表取締役)は著書『わたしの絵本論―0歳からの絵本』にて
次のように述べています。
幼児に最初に与えられる絵本の役割は、”もの”の本質を視覚的にはっきりととらえ、確かめることにあります。あるいは絵本の中に見ていた”もの”を本物、実物を見ることにより確認することにあります。
たとえば、絵本の中で犬を見た子どもは、公園で本物の犬を見ることで、犬の認識が高まります。
反対に、本物の犬を見た子どもは、絵本で犬を見て自分の体験がよみがえり、犬というものを再確認することができます。
ですからファーストブックには
1)本物と絵が子どもの中で結びつくこと
2)子どもがそのものを表す言葉を獲得すること
の役割が求められます。
絵本を選ぶときには2つの役割を十分果たすことができるのか、という視点が必要です。
「幼児でも本物を見たがっているのだということを肝に銘じてお忘れにならないでください」
しかし松居先生は、絵本の中にはひどい作品も多くみられると嘆いています。
特に”絵”が問題で、不自然な色づかいや動物や乗り物も、わざとらしく変形しておもちゃのように描かれていると。
絵ですから、多少の変形や誇張があって当然だと思いますが、先生曰く動物が備えている生命力や形の美しさはみじんも感じられないというのです。
確かに、そうした絵本にでてくるライオンをみて、本物のライオンと一致するか、というとしないでしょうね。
猛々しさや気品のようなものがそぎ落とされ、キャラクターのように描かれています。
そうした絵本でも、面白いものはたくさんあると思いますが”ものの絵本”としては役割を果たしてないといえるでしょう。
最初に出会うものは本物かなるべく、本物に近いものであってほしいと思います。
おさらい ファーストブック選びのポイント
ファーストブックにおすすめ 赤ちゃん向けの絵本9選
では、具体的な本のご紹介。
以下は、福音館書店公式HPにおいて、赤ちゃん向けの絵本として紹介されていた作品から”ものの絵本”を抜粋しました。出産祝いのプレゼントにもおすすめです。
ご参考までに、読み聞かせたものに関しては、わたしの感想を添えています。
1.くだもの
感想◆(1歳3か月ごろ~)
登場するのは、新鮮なくだもの。写実的で、くだものの甘酸っぱい香りが想起されます。
文章はくだものの名前と「さあめしあがれ」。くだものを差し出すお母さんの優しい手が描かれています。
日常のやりとりが絵本の中に再現されており、お子さんも興味を持ちやすいと思います。
2.まるくておいしいよ
感想◆(1歳2か月ごろ~読み聞かせました)
クッキーやスイカ、などまるい食べ物が次々とでてきます。ひとつひとつが美しく丁寧に描かれています。で、やっぱり、おいしそう。ちょいとつまんでもぐもぐ、とすると一緒に真似してくれるので、よい遊びになりました。この本で、丸という形を認識できました。あと、子どもは食が細かったのですが、食べることに少しだけ興味を持ってくれたかなぁと思います。
3.どうぶつのおかあさん
感想◆ごめんなさい。読みきかせしていないです・・。しかし、ちらっと象のページの挿絵を見ました。
どうぶつのおかあさん|絵本ナビ : 小森 厚,藪内 正幸 みんなの声・通販
まるで写真のように、美しい。象の皮膚感、お母さん象と小象の親子の雰囲気、のっそのっそと歩いている様子がにじみ出るようです。この本を見たら、本物の象を見てみたいと思うでしょうね。そうした好奇心を掻き立てる挿絵だと思いました。
4.こんにちはどうぶつたち
感想◆(1歳半ごろ~読み聞かせました)
こちらは、写真絵本です。特徴としては、すべてが正面からのアップの写真。めっちゃ見られてる感じになります。目と目が合うので、子どもも動物をじぃぃーとみていました。動物の全体像はつかみにくいですが、顔の細部を見ることができます。それぞれの動物に対して「これがライオンの鼻だよ」「これが口だよ」と言ってタッチしたりしました。
5.ねこがいっぱい
感想◆ごめんなさい、読み聞かせしていません。
身近な動物の猫を題材としているので、本物と結びつけやすいかなぁと思います。猫を飼っているご家庭にはお勧めです。
6.もうおきるかな
感想◆ごめんなさい、読み聞かせしていません。が、こちらもチラ見しました。気持ちよさそうに眠っている動物の親子、次のページをめくると、「ウ~ン」と伸びをしながら目覚める様子が描かれています。本当にそこにいるような生き生きとした挿絵です。例えば、猫やウサギの毛も一本一本が細かく描かれており、生命が宿っているように感じられます。大きくなってからは、絵としても十分楽しめる絵本だと思いました。
7.ずかん・じどうしゃ
感想◆(2歳半ごろ~読み聞かせました)
自動車の絵といえば、この方山本忠敬氏です。その名の通り、自動車が図鑑として淡々と描かれています。物語はありません。まるで吸い込まれるように不思議と引き付けられるものがあります。作者が真心を込めて描き上げたんだろうな、という思いがしました。うちは女の子でしたが、楽しんでみていました。車好きの男の子なら、絶対喜ばれると思います。
8.ぶーぶー じどうしゃ
感想◆ごめんなさい、読み聞かせしていません。
チラ見の感想です。パトカーや消防車など、めくるたびに1台ずつしっかり描かれています。「ずかんじどうしゃ」と比べ、掲載台数は少ないですが、絵が大きいのでじっくり見ることができます。
9.バルンくん
感想◆ごめんなさい、読み聞かせしていません。
英国のスポーツカー”オースチン・ヒーレー・スプライト”という車がモデルだそうです。上記2作品が停まった自動車ならば、こちらは颯爽と走る自動車といえるでしょう。シリーズ化されており、さまざまな物語を楽しむことができると思います。
まとめ
赤ちゃんにとっての絵本の役割は
・本物と絵が子どもの中で結びつくこと
・子どもがそのものを表す言葉を獲得すること
そのため、絵本選びに必要な視点は